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2017年1月 5日 (木)

『夜行』

森見登美彦『夜行』小学館

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https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%9C%E8%A1%8C-%E6%A3%AE%E8%A6%8B-%E7%99%BB%E7%BE%8E%E5%BD%A6/dp/409386456X


物語は、岸田道生という画家の「夜行」という連作に関連しながら進んでいく。

「夜行」の中には必ず顔のない一人の女性が描かれており、

彼女が一体何者なのか、

どこから来て、どこへ向かおうとしているのか、

読めば読むほどに謎めいていく。

登美彦氏は、

―――「夜行」とは、「夜行列車」の夜行かもしれないし、「百鬼夜行」の夜行かもしれない―――

という。

どちらなのか読んで考えてみたけれど、

私は、夜を静かに進んでいく夜行列車が、物語の中で常に走っていくようなイメージを持った。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場するような列車だ。

その列車は空へどんどんのぼっていくわけではないけれど、

夜の深い深い闇の中を、ライト一つ灯してぐんぐんと進んでいく。



私はいつも森見先生の著書にコメディー要素を期待してしまうのだけれど、

今作は『きつねのはなし』や『宵山万華鏡』のような、

先生の繊細さを表現したような作品だ。

いつもは明るい人が時折見せる影の部分を見るような、そんな心持になる。

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